お節介オヤジの呟き

高齢者の孤独問題テクノロジーはどこまで解決できるか?

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心身をむしばむ「高齢者の孤独問題」をテクノロジーはどこまで解決できるか?

AMP2019.1.31配信記事より引用

老後の不安といえば、お金、そして健康がまず思い浮かぶだろう。しかし老年期においては、退職、そして配偶者や兄弟姉妹、友人との死別といったライフイベントが連続して起こる。そして浮上する大きな問題が「孤独」だ。

平成30年版高齢社会白書によると、2060年には世界で65歳以上の人口比率が17.8%にまで達し、今後半世紀で高齢化が急速に進展、先進国のみならず、発展途上国においても高齢化が進むとされる。日本では2065年には人口の38.4%、国民の約2.6人に1人が高齢者となると予測されている。

高齢化に伴う課題は様々だが、近年の家族観やコミュニティの在り方の変化と相まって深刻な問題となっているのが、孤独高齢者の増加だ。

各国でその割合は危機的状況にまで深刻化しており、ヨーロッパでは英国政府が孤独高齢者問題を解決するために多額の資金を投じる計画があると報じられている。孤独状態であると、認知能力の低下だけでなく、うつ病の発症や身体機能の低下をまねくという調査結果もあり、孤独高齢者対策は医療費を抑制する上でも重要だ。

こうしたなか、テクノロジーを駆使してこの問題を解決しようという試みが始まっている。高齢者の孤独問題は、最先端のテクノロジーでどこまで解決できるのだろうか。

たばこ、肥満以上に心身をむしばむ「孤独」

孤独が私たちの心身機能に及ぼす影響は想像以上に大きい。孤独死という言葉はあらゆるメディアで目にするようになっているが、高齢者の社会的孤立は「何かあった時に発見が遅れる」以上に大きな問題だ。

うつ病や依存症などメンタルヘルスに悪い影響を及ぼすことは想像に難くないが、それだけでなく心疾患やがんなど多くの疾患のリスクをあげると言われている。喫煙や肥満が健康に悪いことは周知の事実だが、孤独はそれに匹敵、いやそれ以上のリスクファクターとして、公衆衛生分野で注目を集めているのだ。

病気だけではない。身体機能の低下や、日常生活で必要な動作の能力が低下することもこれまでの研究で示唆されており、高齢者の孤独は医療・介護費用の増大という、世界各国が抱える問題をさらに悪化させている。

高齢になるにつれ、死別や退職で人との関わりが減るものではあるが、日本においてそれに拍車をかけているのが伝統的な家族構造の変化だ。2世帯、3世帯で暮らす人は次第に少なくなり、生涯未婚率も上がり続けている。結果、今後高齢者単身世帯はますます増加する。

独居の場合、地域コミュニティや友人との交流が主な人と接する機会となるが、特に日本では、長時間労働や性別による役割分担がはっきりしているため、男性が現役時代に会社中心の生活になりがちであり、退職後に新しい人間関係を築きづらい。配偶者に先立たれた場合、一気に弱る男性が多いというのも無理はないことだろう。現に日本では孤独死の80%以上は男性だとされる。

日本において、総務省は「社会的孤立」を、こうした「家族や地域社会との交流が客観的にみて著しく乏しい状態」と定義し、その対策が急務であるとして、定期巡回や居場所づくりといった従来の対策を続けると同時に、ICTの導入に支援を行うとしている。

イギリスにおいても、国営医療サービスNHSは、高齢者の孤独への対策のひとつとして、ローカルコミュニティへの参加や生涯学習の機会の利用に加え、「Learn to love computers」を掲げ、高齢者にSNSやインターネット通話サービスを使えるようになることを勧めると同時に、インターネットを使うスキルを学べる機会を設けている。

このようなSNSやスカイプといった従来のサービスに加えて、数多くの企業や研究者が最先端のテクノロジーを駆使して、孤独高齢者という課題に挑んでいる。

テクノロジーは「孤独」に何ができるのか

テクノロジー活用の最もわかりやすい事例は、遠隔地の家族や友人と高齢者を結びつけるデバイスだ。SkypeやLINEなどビデオチャットが可能なアプリは数多くあるが、そのほとんどはアカウントを作成する必要があり、スマホやタブレットの操作に慣れていない世代には扱いが難しい。

その点、イギリス発のコミュニケーションデバイス「KOMP」は映像を映すスクリーンに操作ボタンは1つだけ、タッチパネルはなくすことで、操作を可能なかぎり容易にし、電子機器の扱いに慣れていない高齢者が遠隔地の友人・家族と話す機会の増加に貢献している。

日本でも、高齢者に親しみのあるテレビに専用のデバイスを取り付けることでビデオチャット用の機器として活用する「IT井戸端会議システム」を昇和エレクトロニクスが開発、初期設定費用も1万円程度に抑える方針で、多くの人に親しみやすいサービスとなることを目指している。

しかし、そもそも遠隔地にも話す相手がいないということもあるだろう。そのようなケースにはAI(人工知能)が話し相手となる可能性がある。

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AppleのSiriのようにAIはすでに私たちの生活に近しい存在になりつつある。実際、Amazonが開発するAIアシスタントAlexaを搭載したEchoは、高齢者の生活を助けると同時に、寂しさを紛らわす話し相手として活躍することが期待されており、同社は米国高齢者利益団体との協力のもと、高齢者向けのAmazon Echo Silverを開発している。

ロボットの活躍も顕著だ。日本でも、ヴイストン・NTTデータが共同開発する可愛らしい外見の卓上型コミュニケーションロボット「Sota」は、語りかける相手の顔と名前を記憶するだけでなく、クラウド上で会話のデータベースを管理し、約3,000通りのフレーズを使い分けることができる。

日本が得意とするロボティクスは、ペットロボット分野でも存在感を示している。犬や猫などペットとの暮らし、また触れあいは孤独感を軽減し、健康増進効果があることがすでに多くの研究で示されているが、高齢者が飼う場合、なにかあった時の動物の行き先が不安であるし、セラピーアニマルも動物自身のストレスや衛生面・アレルギーなどが課題となるが、ペットロボットはそれに対応できる。

猫型・犬型のロボットは世界各地で開発されているが、日本発のタテゴトアザラシの赤ちゃんをイメージした「パロ」は、世界で最も癒し効果のあるロボットとして2002年ギネスに登録された。

ただし、このようなロボットは費用面が数十万と比較的高額なのがネックであり、現在は介護施設への導入がメインとなっているが、今後、より機能をシンプルにした廉価な独居高齢者対象の商品も登場するかもしれない。

高齢者の社会参加とテクノロジー

テクノロジーの進化は目覚ましく、AI、ロボティクスなどの個々の技術レベルは高くなるばかりだ。しかし、現時点では高齢者の孤独対策において、テクノロジーはあくまで既に存在する人間関係やコミュニティとつながるためのサポート的な存在としての役割が大きく、AIやロボットも在宅で自立した生活を送っている高齢者にとっての、生身の人間との会話やペットとの関わりに代わるレベルには達しているとはいい難い。

しかし、今後、技術革新はさらに進むであろうし、なにより高齢者は助けられるばかりの存在ではない。これまでも子育てのサポートや近隣との助け合いなど、家族内や地域社会で様々な役割を担ってきている。Airbnbやスキルシェアなど個人間サービス提供のプラットフォームが現在若い世代で盛り上がりをみせているが、これからはアクティブな高齢者が社会に参加し、同世代、また若い世代をサポートすることで、老年期においても新たに人・コミュニティとつながりを生み出す方向で、ITを活用したサービスも多くみられるようになっていくのかもしれない。

文:大津陽子
編集:岡徳之(Livit

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