お節介オヤジの呟き

2019年に注目したい「ゆく町、くる町」 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
Reading Time: 2 minutes

春の住み替えシーズンを迎え、どこに住むべきかを問われる季節目前である。利便性から考えるのが一般的だが、働き方、住に求める優先順位などが変化しつつある今、それだけではない考え方もあろう。ここではお得に住める町、投資に向いた町、面白くなりそうな町、住んでいる人たちの努力を無にしそうな町、さまざまな町を紹介したい。

独断!2019年に注目したい「ゆく町、くる町」

東洋経済ONLINE2019/01/01 5:20配信記事より引用

あなたの住む町は入っている?

200万~300万円で購入できる戸建てもある神奈川県・横須賀

100万円以下の一戸建ても、安さに可能性

横須賀市

都心、湾岸などで不動産価格が上昇、高止まりする一方、首都圏でも郊外部では売れない地域、価格が下落する町も見かけるようになった。200万~300万円で一戸建てが買える地域もあり、その代表格が神奈川県横須賀市だ。

横須賀市は海辺、川沿いの低地以外の大半は丘陵地で、高低差が大きく、急坂、階段の多い複雑な地形。それが敬遠され、階段の先にある住宅は空き家化しやすい。2014年には首都圏では珍しく谷戸(丘陵が浸食されて生まれた谷状の地形)の空き家を対象にした空き家バンクが作られ、話題になった。

一般には不動産価格の下落はマイナスと考えられる。だが、車並みの価格で不動産が買えると考えたらどうだろう。場所があったらできる趣味、やりたいことがあるという人もいるだろうし、投資としても手を出しやすい。実際、自家用、投資用、それぞれに横須賀に目をつける人が出始めている。

まずは自家用。恵比寿で飲食店を営む佐久間奈都子氏は2016年秋に京急線田浦駅から歩いて10分ほど、庭、山林を含め1000㎡弱の土地に建つ海を望む古民家を1000万円で手に入れた。20年ほど空き家だった築85年以上の建物は廃屋に見えたそうだが、元大学教授の家というだけあってしっかり造られており、建具の細工も見事だ。

佐久間さんの住居

それまで1年間、毎日検索、数十軒以上の空き家を見てきた佐久間氏は即決し、基礎と床貼りなど最低限の大工作業を終えたうえで翌年4月に引っ越した。以降、手を入れながら住んでいる。

それまでも店の仕入れに週2~3回は三浦に通っており、営業終了後は自動車で帰宅。夜間の恵比寿―横須賀間は1時間ほどで、さほど遠くない。であれば都心で高い家賃の狭い家に住むより、大きな犬が飼える広い庭のある家での暮らしのほうが豊かと選択した。入居後には保護犬のエアデールテリアを家族に迎え、庭の梅で自家製梅干しを作る暮らしを楽しむ。出勤前に犬と子どもを連れて海辺を散歩することもある。

大工工事に700万~800万円、キッチンに100万円、まきストーブに100万円など少なからぬ額をかけており、DIYにもすでに100万円を費やした。今後もさらにかかるというが、それでも都心での住宅購入よりははるかに安い。

佐久間氏は車通勤だが、電車通勤で横須賀に購入した人もいる。遠いと思うなかれ、横須賀―品川間は40分ちょっと。京急線は都営浅草線と乗り入れ、さらに京成線ともつながっているため、都心部、羽田、成田へもアクセスしやすい。品川からは新幹線、将来はリニアも使える。実は便利な路線なのである。

市場ではつねに一戸建てが不足している

230万円で購入し、改修に600万円をかけた富沢氏の物件

続いて投資用。これには2種類のやり方がある。ひとつは200万~300万円の物件を最低限住める状態にして、そのまま貸すという手。賃貸専用として建てられる一戸建てが少ないため、市場ではつねに一戸建てが不足している。

加えて大型犬や多頭飼いが可能で、原状回復不要にすれば、ほとんどの物件は決まる、と横須賀の不動産事情に詳しいウスイホーム武山店店長の柴橋巧季氏。小規模戸建ての賃料は5万~6万円ほどだが、交渉次第では200万円前半、100万円を切る物件もあるという状況を考えれば十分収益は上がる。

もうひとつは登記簿上で50㎡以上、階段50段以下などいくつかの要件を満たす一戸建てを購入、必要とされるリフォームをしたうえで米軍に貸すという横須賀ならではの方法だ。

不動産投資家・富沢ウメ男氏が購入し、改修した物件を見せていただいたが、1階にDKと1部屋、2階に2部屋というごく普通の木造住宅を、ごくありきたりの改修。だが、230万円で購入した住宅を600万円かけて改修した結果、月額18万9000円(!)で貸す予定である。

価格が安いから楽しめ、収益を上げられるわけだが、一般の人には放置された空き家が再生された状況がイメージできないことが多く、購入を躊躇する人は少なくない。また、こうした物件は後で何が起きるかがわからないため、自己責任と腹をくくれる人にしか勧めていないと柴橋氏はいう。不動産価格下落でチャンスは生まれているが、それを利用できるかどうかはその人次第。できる人にとっては、横須賀は宝の山である。

蒲田

もう1カ所、京急線で変化しそうな町を紹介したい。蒲田駅周辺である。このエリアには数年ほど前から「ものづくりの町」という歴史を持つ蒲田に制作環境と町工場との協働機会を生み出す活動を続けてきた「@カマタ」というグループがある。

2014年のオフィス、工房兼ショップ、SOHOなどからなる複合施設「カマタ_クーチ」に始まり、築古マンションを改修した工房・シェアオフィス付き集合住宅「カマタ_ブリッヂ」、羽田空港近くの古倉庫再利用の期間限定のポップアップイベントスペース「カマタ_ソーコ」を手がけてきた@カマタが今、京急と一緒に取り組んでいるのは高架下だ。

工房兼ショップ、SOHOなどからなる複合施設「カマタ_クーチ」

2017年に京急蒲田駅付近連続立体交差事業が完了。それによって生まれた高架下のうち、京急大森町―梅屋敷間の約2283㎡に2棟の飲食店、シェアオフィス、デジタル工房、スタジオの4棟、2棟の町工場の計8棟からなるものづくり複合施設を、2019年春をメドに整備する計画で、詳細については2018年7月以降、複数回のラウンドテーブルなどで広く意見を集約・整備していくという。

少し危惧のある町は…
面白いのは@カマタでは拠点や機材、人、ノウハウをメンバーで共同管理し、蒲田の町全体をひとつのシェアオフィスに見立てている点だ。それによりクリエーター間だけではなく、地元の町工場との連携も生まれ始めている。

大田区の町工場は1社ごとに独自の高い技術を持っているのが特徴。それがほかのこれまでと違うクリエーターなどとコラボし始めれば、面白いものが生まれてくるのではなかろうか。かつては1万社以上、今でも3000社以上の町工場が集まる、東京屈指のものづくりの町、大田区が蒲田から新しい動きが始まることに期待である。

ここまで2カ所、京急の期待できる町を取り上げたが、1カ所、危惧のある町にも触れておきたい。北品川から青物横丁にかけての旧東海道沿い、品川宿と呼ばれるエリアだ。30年もの歳月をかけ街道沿いを修景、散策の人が訪れるようになってきたエリアだが、そこを分断するような開発計画がある。

品川周辺の再開発の余波だが、近代的な再開発で生まれた町は隣に古い歴史的な町があることが強みになる。森ビルは六本木ヒルズと麻布十番、虎ノ門ヒルズと新橋をそのように捉え、共存を武器と考えているが、品川開発に当たっている人たちにはそうした多様性を受け入れる素地はないのか、疑問に思う。

藤沢市

無関心な人ばかりの町と、関わろうとする人が多い町。どちらが住んで楽しいかといえば後者である。その点で注目しているのが藤沢市だ。複数の、ほかにない活動を続けている人たちがいるのだ。たとえば2018年に開始から20年目の「ふじさわこどもまちづくり会議」。

小学生を対象にした2日間のワークショップで、町を歩き、地域の課題を話し合い、将来の町を模型化するというもの。1995年の阪神・淡路大震災を機に建築家に何ができるかを考えた結果、生まれた活動で、住む人が地域に愛着を持つことで町を良くし、強くしていくとしたら、子どもたちを変えていくことが長期的には町に寄与するという考えだ。

ほかの町にないものを生み出す力
毎回40~50人が参加、中には小学校の6年間続けて参加する子もおり、延べ900人近くが町を考えてきた。先行するワークショップを参考に始めたそうだが、そちらは早々に開かれなくなり、藤沢では地道に続けられている。その違いが実行委員会代表を務める建築家・三原栄一氏をはじめとする関係者の町に対する強い思い、底力ということだろう。

あるいは鵠沼海岸にできた映画も流れる貸本屋「シネコヤ」だ。商店街の空き写真スタジオを改装した空間を利用。パン屋やカフェがあり、映画も流れているというほかにない不思議な形態の店舗で、資金集めのクラウドファンディングでは地元からの応援が多かった、と経営する竹中翔子氏は言う。近所にほかにない文化や芸術に親しめる場があることは住んでいる人には自慢であり、町への愛着につながる。

パン屋やカフェも併設する貸本屋「シネコヤ」

地域の差別化は自然や歴史によるものが多いが、それ以外にほかの町にないものを生み出し、成り立たせられる町はそうそうあるものではない。

藤沢市にはこれ以外にもいずれ紹介したい福祉の先進事例が集まっており、注視し続けたい町のひとつだ。

淵野辺

JR横浜線淵野辺駅と聞いて、それがどこかがわかる人は少ないだろう。だが、このところ、この町に住みたいという学生が急増している。理由は地元にある不動産会社・東郊住宅社が2015年12月から始めた入居者専用食堂「トーコーキッチン」。朝100円、昼、夜それぞれ500円という低額ながら、レトルトは使わずに手作りするヘルシーな食事が年始年末を除いて年中無休で食べられるのである。

安さ、味に加え、もうひとつの魅力は日に2度、3度と顔を出す同社の2代目・池田峰氏。初めての東京暮らしに不安を感じる学生や疲れた顔の学生に声をかけては笑顔にしていく。

こうしたほかにないサービスや雰囲気が話題になり、各種メディアで取り上げられたことから問い合わせが殺到。近くにある青山学院大学、麻布大学など3大学以外に相模原市はもちろん、横浜市、町田市、厚木市、世田谷区などの20大学以上の学生から問い合わせを受けるようになった。社会人になっても住み替えず、住み続ける人もいる。

そんなに人気があるなら空室の不安がなかろうと、この町で不動産を買い、同社に管理してもらいたいと考える不動産投資家も多く、「淵野辺に絞って購入した、管理を頼む」と同社を訪れた人もいたとか。若い人を中心に人口が増えれば、それを目当てにしたサービスも増え、町はにぎわう。たった1社の不動産会社が始めた入居者向けのサービスが町全体をバリューアップしたわけである。

ここ数年じわじわと街並みが変化、若返りも

二子新地

再開発で全国に知られるようになった東急田園都市線二子玉川駅の1駅先、二子新地が変わってきている。もともとは大山街道(江戸時代に信仰を集めた大山詣りに使われた)の二子の渡しがあった場所で、大正期に花街が誕生、戦前の最盛期には100人ほどの芸者でにぎわったというが、戦後は徐々に衰退。10年ほど前までは寂れた雰囲気が漂っていた。

二子新地からは二子玉川がこのようにのぞめる

 

ところが、2010年に第1期の二子玉川再開発が完成、人気が高まるにつれ、二子橋を渡った先の二子新地にも目が向くようになってきた。多摩川を渡るだけなのに、東京都世田谷区から神奈川県川崎市高津区に入れば、家賃も物件価格もぐんと安くなる。

2014年には改札口の向かい、高架下にスーパーが誕生。利便性が向上したのはもちろん、町のイメージもアップした。2004年から続けられてきた大山街道フェスタで地元の歴史が認知されてきたこともあろう。乗降客数は上昇基調にあり、2012年からでも新築マンション4棟、賃貸マンションは数えきれないほど建設され、今も複数の建設が進んでいる。

以前からあった魚屋、肉屋などの商店に加え、2012年ごろから飲食店が増加。肉バルやイタリアンなど若い層を意識した業種が目立つようになっている。道行く人も若返っており、今後もこの傾向は続きそう。大山街道沿いも含め、地域には古い建物、空き家などがあり、しかも区画が小さい。

大型店ではなく個人店の集積が続けば、対岸とは異なる、個性的な町になっていきそう。個人的には世田谷区側と違い、川原でのバーベキューができるなど、より多摩川が身近という点にも魅力を感じている。

(中川 寛子:東京情報堂代表)

関連記事:損をしない引越し方法とは?

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
最短4分で広告を掲載できる『忍者AdMax』




スポンサー

コメントを残す

*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください