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大岡名裁き「しばられ地蔵」とは 大晦日の数十分間だけ縄を解かれる

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昭和のTBSの時代劇で放送されていた「大岡越前守忠相」(おおおかえちぜんのかみただすけ)は「鬼平」こと長谷川平蔵と同様に実在した人物ですよね。これも時代劇でも再放送がよくされている「暴れん坊将軍」にも「忠相」「忠相」と寵愛されていた人物ということは時代劇ファンはご存知の事でしょう!「大岡越前」と言えば「大岡名裁き」としても有名ですね。その「大岡名裁き」の証拠が平成の現代でも残っている事実を紹介しますね。

大岡名裁き「しばられ地蔵」とは 大晦日の数十分間だけ縄を解かれる

縛られ地蔵 大岡越前の名裁き

福娘童話集 > きょうの新作昔話 >縛られ地蔵 大岡越前の名裁きより引用

むかしむかし、室町の越後屋八郎右衛門の店に出入りしている人間に、弥五郎という荷担ぎがいました。ある暑い日の事、弥五郎は松戸郷から室町の越後屋まで、白木綿を運んでいました。その途中、本所中の郷(→今の浅草)というところにさしかかると、あるお寺の大きな木の下に石のお地蔵さんあったので、弥五郎は、「ああ、ちょうどいい木陰があるぞ。お地蔵さま、ちょいと休ませてもらいますよ」
と、一休みしたのですが、あまりにも疲れていたので、そのまますっかり眠り込んでしまったのです。
さて、弥五郎がふと目を覚ますと、もうすっかり日が傾いていて、通りには人気がありませんでした。「いけねえ! 寝過ごした!」弥五郎はすぐに出発しようと、そばに置いたはずの荷物を探したのですが、どうした事か荷物がないのです。
「しまった! 荷物を盗まれた!」あわてた弥五郎は、近くのお寺に飛び込んで、
「すみません! おれの荷物、白木綿の反物を持ち去った者を見ませんでしたか!?」
と、たずねましたが、お坊さんは気の毒そうな顔をしながら、「さあ、そういう者は見なかったねえ」と、言うのです
弥五郎は仕方なく、手ぶらのまま室町の越後屋へ帰ると、今までの訳を話しましたが、
「何だって? 昼寝をしていて荷物を持っていかれただって! はん。そんなマヌケな話を誰が信じるもんか。おおかた、勝手に売り払って博打にでも使ったんだろう。まあ、どっちにしろ、無くなった荷物の代金は弁償してもらうよ」と、言われて、弥五郎はすっかり困ってしまいました。
弁償しようにも、反物は五百反もあったので、そんなにたくさんの白木綿を弥五郎一人で弁償出来るはずがありません。荷担ぎの元締めにも相談してみましたが、元締めの生活も楽ではないので、代わりに弁償する事は出来ませんでした。「思えば、自分が油断して寝込んでしまったのがいけなかったな。この上は、死んでおわびをするしかないか」
そこで弥五郎は、親しい友人に最後の別れを言いに行ったのです。するとその友人は、弥五郎にこう言いました。
「このマヌケ! お前が死んでも、残された元締めや家族や親類に迷惑がかかるだけだろう。それよりも、死ぬ覚悟があるのなら、南町奉行所の大岡さまに訴えてみろ。忙しいお方だから、ただの町人が行っても簡単には会ってくれないだろうが、一歩も動かず何日も死ぬ気で訴えりゃ、その内に大岡さまが直々にお取り調べとなって、万事うまく治めてくださるさ」
弥五郎はそれを聞くと、大喜びで奉行所へ行き、大きな門の前で声を張り上げて言いました。「私は室町の越後屋さんに出入りしている、荷担ぎの弥五郎と申す者でございます!本所中の郷の石地蔵の前で居眠りをしていたところ、大事な荷物を何者かに持ち去られてしまいました!
越後屋さんは反物を弁償しろとおっしゃいましたが、五百反もの白木綿を弁償出来るあてもありません!この上は入水しておわびをと決心しましたが、私が死ねば責任は荷担ぎの元締めにふりかかってしまいます!お忙しいとは思いますが、どうか大岡さまじきじきのお取り調べをお願い申しあげます!お聞き届けいただけない時は、身を投げて死ぬ覚悟でございます!」友だちの言った通り、ただの町人の弥五郎が行っても、なかなか越前には取り次いでもらえませんでした。

「人の命を救う事より、重い仕事はあるまい」

しかし、弥五郎は三日の間、物も食べずに座り込んで頑張っていると、役人がやっと、弥五郎の事を越前の耳に入れたのです。
すると越前は、やっていた仕事を中断して、「人の命を救う事より、重い仕事はあるまい」と、さっそく弥五郎を呼んで、事の次第を詳しく聞いてくれたのです。
越前は弥五郎の話を聞き終わると、少し考えてこう言いました。
「ふむ、なるほど、あいわかった。 地蔵菩薩といえば国土を守る仏である。その方は地蔵に預ければ安心と思い、荷を下ろして休んだのであろう。 その方の油断にも責任があるが、地蔵ともあろう者が目の前で盗みを働く者を見て見ぬふりをするとはけしからん。
さっそく縄をうち、引っ捕らえて取り調べをせねばならん。あるいはこの地蔵こそ、盗人とつるんで悪事を働いているのかもしれぬぞ
それを聞いた弥五郎は、(地蔵さまが悪いとは。・・・このお奉行さま、大丈夫かな?)と、思いましたが、ここまでくれば、全てを越前に任せるしかありません。やがて越前の命令により、お地蔵さんは縄でぐるぐる巻きにされ、大八車に乗せられて両国の方へとガラガラと引かれていきました。
この、越前がお地蔵さんをお取り調べになるという話はたちまち評判になり、江戸中から町民たちがぞろぞろと集まってきました。やがてお地蔵さんは奉行所に到着し、ついてきた野次馬たちも大八車のあとについて奉行所に入っていきました。さて、お白州に引き出されたお地蔵さんに、越前は恐い顔をして言いました。
「その方、人々から南無地蔵大菩薩と尊敬をうけ、人々を慈悲にて救わねばならぬ身でありながら、目の前で盗みを働く者を見過ごすとは不埒千万である。盗みを知っていて止めぬは、盗人と同じであるぞ。さあ、今すぐ盗賊の事を白状いたせ。さもなくば、入牢申しつけるぞ!」
「・・・・・・」
越前はお地蔵さんの返事を待ちましたが、むろん、石のお地蔵さんは返事をしません。さて、事の次第を見物していた野次馬たちは、このおかしなやり取りにあきれて、ひそひそと話しはじめました。
「大岡さまは、いったい何のつもりだ?」
「まさか本当に、お地蔵さまを罰するつもりだろうか?」
すると、そのひそひそ話を聞いて、越前が言いました。
この者たちは何じゃ! お白州に勝手気ままに入り込み、吟味を見物するとは不届き千万。前後の門を閉じよ! 一人も逃すな!」さあ、野次馬たちはびっくりです。
みんなは名前や住所を調べられると、いったんは家に帰してくれましたが、あとできついお仕置きがあるぞと、全員がきびしく言い渡されたのです。

もとは白木綿の吟味から始まった事ゆえ、白木綿一反の罰金で許す事にする。

それから半月ほどたって、奉行所からお達しがありました。《奉行所に勝手に入り込むことは不届きである。重罪を申し付けてもよいが、もとは白木綿の吟味から始まった事ゆえ、白木綿一反の罰金で許す事にする。三日のうちに持参いたせ》野次馬たちは、牢屋に入れられるのではないかと思っていたので、そんな事で済むのならばと、みんなほっと胸をなでおろしながら、奉行所へ白木綿を持って行きました。
こうして三日のうちに、白木綿の反物が山と積みあげられたのです。そこで越前は、弥五郎を呼んできて尋ねました。
「弥五郎よ。この中から、盗まれた反物を見分ける事が出来るか?」
「はい。盗まれた反物は、しかと覚えています」
そこで弥五郎が反物を調べていくと、中に二反だけ、盗まれた反物が混じっていたのです。
すると越前は、その反物を持ってきた町人に、
これを、どこで買い求めたのだ?」と、尋ねて、さらに売り主を問い正したところ、本所表町に住む者が盗賊と判明したのです。
こうして盗まれた反物は、そっくりそのまま戻ってきました。越前は弥五郎に反物を渡して、こう言いました。
「これはその方に返すゆえ、今後は油断して、地蔵に苦労をかけてはならんぞ」
また、野次馬たちから集めた反物も、持ってきた者たちに返しました。
「その方らの協力により、無事に盗賊を見つける事が出来た。これらの反物はその方らに返そう。また、地蔵も赦免申しつけるゆえ、中の郷に持ち帰り安置するように。・・・うむ。これにて、一件落着!」

さて、この話はたちまち知れ渡り、このお地蔵さんに頼めばどんな事でも願いが叶うと評判になりました。そして越前のお裁きにちなんで荒縄で地蔵をしばり、『願いが叶ったら、縄を解きます』と、願を掛けるようになったということです。

大晦日の数十分間だけ縄を解かれる 大岡越前守が裁いた「しばられ地蔵」とは

AERAdot.2018.12.29 07:00配信記事より引用大岡名裁き「しばられ地蔵」とは 大晦日の数十分間だけ縄を解かれる

平成30年も間もなく終わりとなる。平成最後の年の瀬ということで、TV時代劇の名奉行としてもよく知られている大岡越前守(おおかえちぜんのかみ)に関係する、少し変わった年末恒例の行事「しばられ地蔵」を紹介たいと思う。

●見逃した地蔵にも罪がある!?

越前守の裁きは「大岡政談」という形で本や講談などに取り入れられ、江戸時代からすでに人々の間で広く知られていた。例えば「三方一両損」「子争い」「五貫裁き」といった話は、越前裁きとしてよりもトンチ話として子どもの頃から親しんでいたのではないだろうか。

その中に「しばられ地蔵」という話がある。お地蔵さまのそばでうたた寝をしてしまった商人が、持っていた反物を盗まれてしまうのだが、お奉行さまは「地蔵ともあろうものが盗みを見逃すとはけしからん」と地蔵に縄をかけ奉行所へ運んでくるのである。

結局、これはどろぼうを奉行所へおびき寄せる方策だったのだが、しばられたお地蔵さまは江戸の名所となった。

●業平の名の由来は?

このお地蔵さまは、安政の大震災や関東大震災などの被災もあって、現在は江戸川に近い葛飾区に移転したが、江戸時代には業平橋の西詰にあった南蔵院の境内に鎮座していた。

東京スカイツリーのお膝元でもあるこの一帯には、今も「業平」という地名が残っているが、この名の由来は、南蔵院の境内にあった業平天神社にある。

平安時代、東下りをしてきた在原業平が川遊びをしていた折、船が転覆し多数の死者を出した。業平がこの人たちを弔うために塚を作ったのが、業平天神社の始まりだと言われている。室町時代になり、神社のそばに南蔵院が開山された。

ただし、この業平話については、真偽のほどは定かではない。そもそも業平の東下り自体が虚構との説が強いからだ。蛇足だが、平安時代のスターだった在原業平が作ったとされる「業平塚」は、全国各地に存在している。

●どろぼう除けのご利益で人気者に

話を戻そう。

この業平由縁の南蔵院のお地蔵さまは、大岡裁きの話の広まりとともに有名になった。どろぼう除けのご利益があるとして人々の信仰を集めたが、もともと諸願成就、病気治癒祈願で知られていたことから、さまざまな祈願で訪れていた者たちは、縄でお地蔵さまを縛っていくようになった。そして祈願成就のあかつきには、縛った縄を解いていた。このため次第に「しばられ地蔵」との異名を持つようになる。

このお地蔵さまの建立は、元禄14(1701)年、越前守はほぼ無役の頃である。

そう考えると、お地蔵さまと大岡さまの出世はリンクしている。

●大晦日の縄解き供養

大岡名裁き「しばられ地蔵」とは 大晦日の数十分間だけ縄を解かれる神仏分離令の中でも寺社は並立していたが、関東大震災に被災した南蔵院は現地へ移転、この時業平天神社は廃社となってしまった。ただ、業平の名は、南蔵院の正式名「業平山東泉寺 南藏院」として残っている。

「しばられ地蔵」は、1年を通して祈願者から縄でしばられ続けている。これが解かれるのは、1年に1度、12月31日の大晦日の夜のみ。お坊さまたちによる供養が夜11時から行われ、お地蔵さまに巻きつけられた縄が解かれる。

そして、元旦となった午前0時に再びお地蔵さまには、新年の初縄かけが行われる。「しばられ地蔵」の本来の姿を拝せるのは、わずかな時間のみである。

また、「縄解き供養」に合わせ、大晦日と元旦の2日間、南藏院では「結びだるま市」が開催されている。あらゆる願いごとを結ぶといわれる「だるま」が授与されるのだが、“手も足も出ない”だるまに、縄を結んで縁起をかつぐ独特のだるまはこの時にしか受けることはできない。

●都内にも3つのしばられ地蔵が

さて、業平の東下りに加えて、残念ながら「大岡政談」のほとんどは創作話だと言われている。各地の民話や海外からきた説話などが下敷きとなっている。このためなのだろう、しばられ地蔵は実は各地に存在しているのである。

東京だけでも、文京区の林泉寺、品川区の願行寺、仙台などにも鎮座しており、大岡越前守の人気がうかがい知れる。もっとも、仙台のお地蔵さまは伊達騒動に由来しているとの説もあるようだが。

しばられ地蔵の縄は、1年間巻かれたままだ。当然元旦に祈願された縄が一番下となる。同じ祈願なら、年の初めがよいに違いない。祈願にでかけるなら、大晦日の縄解き供養から参加することをお勧めしたい。

大岡越前

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大岡名裁き「しばられ地蔵」とは 大晦日の数十分間だけ縄を解かれる

NHK版大岡越前、演じるはヒガシ!美しすぎる大岡裁きは往年のファンも必見

  • あの人気シリーズを完全リメーク。主演の東山紀之はじめ、ミムラや平岳大、柄本時生らフレッシュなキャストが出演する正統派・痛快娯楽時代劇。
  • 八代将軍の職に就いた吉宗は、伊勢山田奉行・大岡能登守忠相に江戸出府を命じる。かつて吉宗は、殺生禁断の法を破った罪で忠相に捕らえられたことがあったが、権力に屈せぬ忠相の気骨を買ったのだ。江戸奉行となった忠相は、独自の裁きで民の信頼を得ていく。

2019年12月31日 23:59まで配信(C)NHK/株式会社C.A.L.


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