鬼平の言葉―現代を生き抜くための100名言 (文春ムック) |より引用
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鬼平の言葉 現代を生き抜くための100名言 (文春ムック) [ 池波正太郎 ] 価格:734円 |
原作のあらすじ
深川・熊野町の蕎麦や〔東玉庵〕に盗賊が押し入った。
東玉庵には、主人の清太郎と女房のおしのと、四人の奉公人がいたが、盗賊が押し込んだ際に、清太郎と女房を含む五人が殴り殺し、有金をすべて奪って逃げた。
事件の時に一人の奉公人が生き残った。名前をおよしといい、腹をこわして、便所にいたことで助かっている。およしは、便所で異常な物音に気づき、様子を伺おうと扉を開けた時、一人の賊の顔を見た。
火付盗賊改方・同心の木村忠吾は、東玉庵に押し入った盗賊の人相書を作るため、およしを連れた、深川の北森下町に住む石田竹仙宅に向かった。
鬼平犯科帳 第6巻第6話 【盗賊人相書】
平蔵の言葉
ひとに勘ちがいというもは、万事こうしたものなのだ。
ことに男と女の間なぞは、他人が見るとき、先ず大間ちがい(おおまちがい)をしていることが多いものさ
絵師の石田竹仙には盗賊を働いた過去があった。竹仙の元を火盗改〆の同心・木村忠吾が訪れる。盗賊の似顔絵を依頼され、描き始めると、その顔はかつての仲間の熊治郎だった。緊張して無口になる竹仙を見て、忠吾は「大層な気の入れ方」と平蔵に報告する。
忠吾の話を聞いた平蔵は、密偵たちを手配りして、たちまち熊治郎を見つけ出す。密偵の五郎蔵が「よくまあ、気付かれた…」と感心する。平蔵は忠吾の話が腑に落ちなかったからだと笑う。忠吾のうがった見方は見当違いだった。人は見たいように物事を見るものだ。男と女の間も、他人には簡単に見通せないものである。平蔵はそうした心理を見るのに長けているのだ。
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