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通勤ラッシュ中に人身事故線路立入とかで電車が遅延する事って結構ありますよね。でもその遅延の原因を作ってしまった身内の方は賠償金がもの凄い事になるのでしょう?在来線の遅延でも物凄い金額の賠償金になるらしいのですが、今回の新幹線の遅延原因を作ってしまった方(亡くなっているので家族)はいったいどの位の賠償金になるのでしょうか?

東京駅で怒号も 東京―博多で新幹線が一時運転見合わせ

朝日新聞DIGITAL2018年10月19日21時02分配信記事より引用

新幹線線路に立入 大幅遅延 賠償金はどうなるの?

19日午後5時半ごろ、山陽新幹線の姫路駅兵庫県姫路市)で、博多発東京行き「のぞみ180号」が通過する際に、線路上で人と接触した。

JR西日本JR東海によると、東海道・山陽新幹線の東京―博多間の上下線で一時運転を見合わせたが、東海道新幹線の東京―新大阪間は午後8時15分ごろから順次再開した。山陽新幹線も午後8時47分に全線で再開した。遅れなどダイヤの乱れは終日続く見込み。

姫路署によると、駅の防犯カメラに通過直前に男性とみられる人が線路上に飛び降りる姿が映っていた。署は自殺を図ったとみて調べている。成人とみられるという。

週末の帰宅時間帯で、線路上や駅で停車した新幹線の車内に「缶詰」となった乗客も多いとみられる。新幹線各駅のホームも運転再開を待つ客で混雑した。

停車した新幹線には朝日新聞記者も乗り合わせた。電車は名古屋駅を出たところで減速し、岐阜羽島駅で立ち往生。車内では、電話で状況を伝えるために、スマホを持ってデッキスペースと客室を行き来する人たちの姿が見られた。

午後6時半ごろ、「運転再開見込みは午後7時半を予定しています」とアナウンスが流れると、車内にため息がいっせいにこぼれた。

怒号、ため息…東京駅ホーム混乱

東海道・山陽新幹線の全線で運転見合わせが続いた19日夕。JR東京駅東海道新幹線のホームや改札内は、運転の再開を待つ人たちであふれた。運転再開見込みの時刻とされていた午後8時に、「運転再開は午後8時15分になります」との放送が構内に流れると、「ふざけるな」と怒号がとんだり、大きくため息をもらしたりする人もいた。

ラッシュ時に電車を遅延させた人・親族の末路

日経ビジネス2017年11月24日(金)配信記事より引用

鈴木 信行

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス、日本経済新聞産業部、日経エンタテインメント、日経ベンチャーを経て2011年1月から日経ビジネス副編集長。中小企業経営、製造業全般、事業承継、相続税制度、資産運用などが守備範囲。

鉄道事故裁判に詳しい弁護士の佐藤健宗氏に聞く

その劣悪さで世界最悪と言われる日本のラッシュアワー。ただでさえ高い通勤者のストレスを一段と高めるのが列車の遅延だ。信号の故障など鉄道会社に非があるケースもある一方で、喧嘩や飛び込み自殺など利用者が原因となって起きる遅延も少なくない。

人それぞれ事情があるのは事実。だが鉄道会社に対してはもちろん、何の落ち度もない多くの人々に迷惑をかける遅延行為が、決して褒められる行為ではないのもまた明らかだ。大事な商談や受験など重要な局面が台無しになり、人生を狂わされる人も出かねない。

そんな事態を防ぐ抑止効果になってきたと思われるのが、昔からネット上などで囁かれて来た「列車を大きく遅延させると、鉄道会社から億単位の莫大な賠償金が本人や遺族に請求される」という噂だ。あれは都市伝説なのか、それとも真実なのか。専門家に聞いた。

聞き手は鈴木信行

新幹線線路に立入 大幅遅延 賠償金はどうなるの?

佐藤 健宗 (さとう・たけむね) 1958年兵庫県明石市生まれ。1978年京都大学法学部入学。1985年京都大学卒業。1989年弁護士登録(京都弁護士会、41期)。1994年兵庫県弁護士会に登録替え。「佐藤健宗法律事務所」を開設、現在に至る。これまで取り組んできた主な社会的事件に、信楽高原鉄道列車衝突事故(平成3年)、JR西日本福知山線脱線事故(平成17年)。

結論からお聞きします。ラッシュの時にトラブルを起こして電車を大きく遅延させると、本人あるいは親族が鉄道会社から巨額の賠償金を請求される、というのは本当なんでしょうか。

佐藤:私も弁護士になって随分たちますが、10年ほど前までその答えを知りませんでした。都市伝説なのか真実なのか、皆さんと同じように疑問に思っていたんです。実情を知ったのは、1991年に発生した信楽高原鉄道列車衝突事故の遺族側の代理人となったことを機に、鉄道事故裁判という分野に本格的に関わるようになってからです。

連日起きる顧客トラブル。弊社女性社員もあわや流血

2005年のJR西日本福知山脱線事故の遺族側の代理人も務められています。

佐藤:鉄道事故を扱うには、まずは鉄道事故訴訟の実情を知ることが必要だという話になって、ある時、大阪の裁判所に調査に行ったんです。裁判所に行けば、どんな訴状を受理したのかや、原告や被告、事件番号などが載った一覧表が見られるんですよ。それを見ていくと、少なくとも私が確認した一定期間、地元のJR西日本が原告になった裁判は一件もありませんでした。

一件も?

佐藤:そう、これはとても不思議なことです。というのもJR西日本管内では少なくとも1週間に1度くらいは大きな遅延が起きているはずだからです。首都圏だったらほぼ毎日のように、遅延を伴う電車トラブルがありませんか。

あると思います。先日も、弊社女性社員が千代田線の女性専用車両で、雨の日にOLと女子高生が傘のしずくが当たった当たらないで口論になり互いに傘を振り回し、その巻き添えで傘が無関係の彼女の頭部に振り下ろされる、という事案に遭遇しました。遅延までは至らなかったとのことですが、「女性専用車両は男性の目がない分、女性同士の小競り合いが想像以上に多く、なるべく乗りたくない」と申しています。

佐藤:それだけ様々な顧客トラブルが起きているにもかかわらず、関西圏で長期間、鉄道会社が原告になった裁判がないということは、鉄道会社は電車を遅延させた本人あるいは親族に対して裁判をほぼ起こしていない、ということだと私は解釈しています。私の知る限り、鉄道会社による裁判は、2016年に鉄道会社側の敗訴が確定した「JR東海認知症事故訴訟」のみです。

愛知県で認知症男性が徘徊中に電車にはねられ死亡し、鉄道会社が家族に賠償請求した事件ですよね。

佐藤:後ほど触れますが、あの裁判は特殊な事例です。やはり原則として、鉄道会社は電車を遅延させた本人や遺族への裁判はやらない、と見ていいと思います。

となると、言い方に語弊があるかもしれませんが、ラッシュ時に電車を遅延させても、基本的には“お咎めなし”、と?

佐藤:いえ、そうではありません。例えば、飛び込み自殺によって大幅な遅延が生じた場合、鉄道会社は大抵、遺族に接触はしているはずです。具体的には、「今回の件でこれだけの損害が発生しました。どうしましょう」と遺族側へ打診する。なぜそう言えるかと言えば、「親族が鉄道自殺し鉄道会社から話し合いたいと連絡が来たが、どうすればいいか」という相談が実際に私のところに来るからです。

鉄道事故の賠償金、億単位は本当か?

賠償請求額はネットで言われているように億単位?

佐藤:それはケースバイケースでばらつきがありますが、結論から言うと私が知る事例は数百万円単位。仮に増えても1000万円単位ではないかと推察されます。鉄道事故の賠償金がどのように計算されるか考えてみると、まず、①車両の修理代があります。また、特急などの場合は②遅延による払い戻し代も発生します。さらに、③現場の清掃のためのコストが掛かります。④他の鉄道会社やバス会社に払う振替輸送代も必要です。このため、合計額がいくらになるかは、遅延させた時間がラッシュか、輸送量の少ない昼かでも違ってきます。

先生が担当したケースでは、いくらくらいでしたか。

佐藤:例えば、昼に発生した鉄道事故で遺族から相談を受けたことがありますが、その時は、数百万円単位でした。さきほど挙げた賠償金の内訳に照らし合わせても妥当だと思われる額で、このケースでは遺族と相談した上で全額払いました。ただ、場所が首都圏で、ラッシュ時に生じた遅延で何十万人の足が止まったなら、損害額が1000万円単位になってもおかしくないとは思います。

そうなった場合、賠償金を払える経済状況でない家庭はどうなるのでしょう。

佐藤:そういう家庭からの相談も受けたことがあります。その時は、相続放棄をお勧めしました。亡くなられた方が若い方でほとんど遺産がなかったからです。鉄道会社の裁判は、電車遅延の原因を作った本人は亡くなっているので、相続人に対し、故人の遺産から賠償金を払うよう民事訴訟をすることになります。

すべての相続人が相続放棄をしてしまえば、それで賠償請求に応じる義務はなくなります。

佐藤:裁判をやっても意味はありませんから、鉄道会社はここで諦めざるを得ません。相続放棄をすれば裁判所から受理証明書が出ますからそれを鉄道会社へ持って行って、全て終了でした。

となると、まず「ラッシュの時にトラブルを起こして電車を大きく遅延させると、本人あるいは親族が鉄道会社から億単位の巨額の賠償金を請求される」というのは都市伝説なんですね。

佐藤:億というのは滅多にないと思います。

さらに多くの場合は、賠償請求の交渉は裁判に至る前に決着する、と。自殺の場合、交渉の段階で親族側は故人の遺産から払える額なら払えばいいし、払えなければ相続放棄をすればいい。いずれにせよ、遺族として、遺産以上の損害賠償責任を負う事はない、と。

佐藤:そういう理解でいいと思います。ただ、損害賠償の責任があることは頭に入れてほしいです。

鉄道会社が裁判を起こそうとしない理由

新幹線線路に立入 大幅遅延 賠償金はどうなるの?

故人の遺産から賠償金を払えるにもかかわらず支払いを拒否したり、相続放棄をしなかったりすれば、鉄道会社は訴えるしかなくなると思いますが。

佐藤:論理的にはそうですが、実際にはそこまで行かないでしょう。まず弁護士に相談すれば、まず間違いなく、遺族は相続放棄か示談を薦められます。そもそも、列車を遅延させる行為は、民法709条の不法行為に該当し、故意または過失によって第三者の権利や利益を侵害した時は、行為者はその損害を賠償する責任があると法律には定められています。それに人身事故は運転事故ではなく、鉄道会社の方には一切の非はないんです。

鉄道会社に非がない以上、普通に訴訟になれば遺族は負ける。だから、弁護士も示談か相続放棄をする戦術を取るのが一般的だ、と。

佐藤:一方、鉄道会社側も、なるべく訴訟を避けようとします。理由は簡単で、鉄道自殺の場合、仮に裁判に勝っても賠償金を取れる確率は高くないからです。というのも、鉄道に飛び込んで自殺をする人の中には、経済的に困窮している方もおられるでしょう。鉄道会社側も、賠償金を払える遺産があるのか調査するはずです。裁判をやって勝っても賠償金は取りようがないと判断すれば、無用な訴えは起こさないと思います。

だとすれば、裁判をやる価値があるとすれば、故人に多額の賠償金を払えるだけの遺産があるのに遺族が応じないといったケースのみになります。

佐藤:そういう事例は極めてレアケースと言えるでしょう。

だとすれば、JR東海の裁判はどう取れえればよいのでしょう。

佐藤:JR東海の裁判は、電車にはねられ死亡した本人は認知症で、民法709条での責任を問えない可能性が高いと思われます。実際、裁判の争点も、認知症などで責任能力がない人が損害を与えた際、「監督義務者」がその責任を負うとする民法714条を巡るものでした。今後、高齢化社会が進展すれば、同様の事故が多発しかねません。JR東海は、賠償金目的というより、認知症者による鉄道事故の責任を誰が負うべきか社会に訴えかけるため、この裁判を起こしたとも考えられます。

なるほど、よく分かりました。考えてみれば、鉄道自殺の場合、ただでさえ大切な人をなくして打ちひしがれて遺族に裁判を起こすのは、鉄道会社としても気が引けるのでしょうね。

佐藤:社会的なイメージもありますからね。

抑止力として都市伝説には意味がある

新幹線線路に立入 大幅遅延 賠償金はどうなるの?

それに、喧嘩による遅延などはどちらが本当に悪かったのか、見極めにくくはありませんか。以前、JR東海道線で車内で目が合って喧嘩を始めた2人の中年男性がホームに降り立った後、もんどりうって共に電車に接触し、両方死亡して電車が止まった事件がありました。これなど、2人とも死んでしまった後となっては責任の所在をなかなか追及しにくいです。

佐藤:ただ一方で、私は、「列車を大きく遅延させると、鉄道会社から億単位の莫大な賠償金が本人や遺族に請求される」という考えは、鉄道自殺の抑止効果という意味で、それはそれで意味があったと思うんです。鉄道事故の処理は本当に大変なんです。条件次第では何十万人に影響を与えます。ご遺体の扱いも想像を超える大変な仕事です。しかも一刻も早く運行を再開せよと言われます。

実際、相当なスピードで復旧するケースもよく見かけます。

佐藤:加えて、鉄道事故は多くの人に迷惑をかける。経済に影響を与えたり、場合によってはそれによって人生が台無しになる人もいるかもしれない。ですから、社会のためにも、大切な家族のためにも、そしてご自身のためにも、安易に鉄道に飛び込んで自殺をするのは何とか思いとどまってほしい、と切に願います。その抑止力になるなら、「列車を大きく遅延させると、鉄道会社から億単位の莫大な賠償金が本人や遺族に請求される」と、世間でまことしやかに語られ続けているほうがいいと思っています。

では、航空機のトラブルはどうなのか?
よく分かりました。今回は鉄道の遅延がテーマでしたが、最後に飛行機の遅延についても、見解を伺いたいんですが。飛行機では自殺による遅延はないものの、「酒を飲んで暴れる」「キャビンアテンダントにゴミを“爆弾”だと言って渡す」「化粧室に閉じこもりタバコを吸う」「ナッツリターン」などによる遅延や引き返しは起きています。

佐藤:トラブルを引き起こした人への基本的な対応は、鉄道事故と変わりません。れっきとした不法行為ですし、代替機材の手配や引き返した場合の燃料代、客の宿泊代などを考えると、賠償額も鉄道の遅延以上になる可能性はあります。

それに、鉄道での自殺事故などと違って、航空機のトラブルは本人は健在です。場合によっては鉄道トラブル以上に深刻な結果につながりかねないわけですから、こってり絞られて然るべきだと思われますが。鉄道事故と異なり、国際線を乗り回しているような人の中には、賠償金を払う余裕のある人も多そうです。

佐藤:裁判にするかはともかく、責任はしっかり追及されているはずです。

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