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時代劇作家の巨匠、池波正太郎先生。時代劇作家と言えば、司馬遼太郎先生や藤沢周平先生なども多くの作品が映像化されていますが池波正太郎先生との違いは「食」へのこだわりです。池波正太郎先生の作品には必ずと言って「食シーン」が登場します。それだけ「食」にこだわりのあった池波正太郎先生が愛した名店が紹介されています。

「鬼平」から50年! 食通・池波正太郎の愛した名店7

AERAdot.2018.5.1 11:30配信記事より引用

国民的小説「鬼平犯科帳」が刊行されて、今年で50年。池波正太郎が改めて脚光を浴びている。稀代の食通としても知られている池波が、著作に実名で記した店を訪ねてみた。その味は今でも輝きを失っていない。

■「遠いむかしの江戸の蕎麦を目前に見るおもいがする」

食へのこだわりが作品へのこだわり?作品の中にも度々食シーンが 池波正太郎のこだわり

池波が〈味も形態も、実に、みごとなものだ〉(『むかしの味』)と絶賛した神田まつや本店の太打ち

〈うまいといえば〔まつや〕で出すものは何でもうまい。それでいて、蕎麦屋の本道を踏み外していない〉(『むかしの味』以下※1)メニューが揃う。

〈ことに太打ちの蕎麦は、遠いむかしの江戸の蕎麦を目前に見るおもいがする〉(※1)という太打ちは、普通の5~6倍の太さがあり、啜ることは難しい。モグモグと噛むことで、香りが口中に広がる。事前予約が必要で、池波も頼むのは稀だった。

「もり、かしわ南蛮、鴨南蛮を食べることが多かったです。カレー南蛮や親子丼の時もありました」(店主の小高孝之さん)

やはり何でもうまい店だった。

「神田まつや本店」東京都千代田区神田須田町1‐13/営業時間:11:00~20:00(土祝は~19:00)/定休日:日

■「いかにも大阪洋食ふうのソース(むしろタレといいたい)が“とろり”と」

食へのこだわりが作品へのこだわり?作品の中にも度々食シーンが 池波正太郎のこだわり

重亭

昔はすぐ近くに新歌舞伎座があり、そこを訪ねた折に食べに来たという。

2代目店主夫人の吉原敏子さんは「先生が座るのはたいてい、玄関脇のテレビの下の席でしたね。いつもカメラをぶら下げていらして、店の中でも何やら撮影していました」と回想する。

池波が〈いかにも大阪洋食ふうのソース(むしろタレといいたい)が“とろり”とかかったビーフ・ステーキのやわらかさ、その肉のよろしさに、私は満足した〉(『散歩のとき何か食べたくなって』以下※2)と記した独特のソースは、ケチャップや自家製デミグラスソースなどを混ぜ合わせたオリジナルだ。隠し味に醤油を使っているので、ご飯によく合う。

「重亭」大阪市中央区難波3‐1‐30/営業時間:11:30~15:00、17:00~20:30/定休日:火(祝日の場合は翌水)

■「ここの天丼だと、“すっ”と腹の中へおさまってしまう」

食へのこだわりが作品へのこだわり?作品の中にも度々食シーンが 池波正太郎のこだわり

銀座天國 東京都中央区銀座8‐9‐11/営業時間:11:30~21:00L.O./定休日:12月31日と1月1日のみ

池波は株式仲買店員だった頃のことをこう回想している。〈会社廻りの帰りに三昧堂へ行き、好きな本を二、三冊買ってから〔天國〕へ入り、それをパラパラとひろげて見ながら〔天ぷら御飯〕か〔お刺身御飯〕を食べるのが、小僧のころの私のたのしみだったものだ〉(※2)

年をとってからは、天丼に切り替えた。〈(すこし、腹が“くちい”な)と、おもっても、ここの天丼だと、“すっ”と腹の中へおさまってしまう〉(※2)

同店は油の質に気を使っているうえ、しつこくない甘さの丼タレに天ぷらをくぐらせ余分な油を落としているからだろう。

「銀座天國」東京都中央区銀座8‐9‐11/営業時間:11:30~21:00L.O./定休日:12月31日と1月1日のみ

■「何を食べても旨いが、私は上等の五目やきそばとネギそばが好きだ」

食へのこだわりが作品へのこだわり?作品の中にも度々食シーンが 池波正太郎のこだわり

清風楼 横浜市中区山下町190/営業時間:平日11:45~14:30、17:00~20:30(休憩時間でもシウマイは販売)、土11:45~20:30、日祝12:00~20:30*L.O.はそれぞれ30分前/定休日:木(祝日の場合は水か金)

横浜中華街に昭和20年に開店。店頭でも販売するシウマイが名物で、池波は師匠の長谷川伸氏への土産として利用している。

〈長谷川師が「むかしの味がするね」といった清風楼の焼売は、私の大好物だ。(略)ここの焼売は豚肉と貝柱と長ネギのみを使う〉(※1)。肉がたっぷり入っていながらも軽い味わいで、何個でも食べられる。

店内では麺類を好んで食べた(※1)。お気に入りのひとつ、上五目ヤキソバは、野菜はもちろん、綺麗な切れ込みを入れたイカ、アワビ、エビ、叉焼、ウズラの卵が豪華にのっており、麺が見えないほどだ。

「清風楼」横浜市中区山下町190/営業時間:平日11:45~14:30、17:00~20:30(休憩時間でもシウマイは販売)、土11:45~20:30、日祝12:00~20:30*L.O.はそれぞれ30分前/定休日:木(祝日の場合は水か金)

■「扉を開けて一歩中へ踏み込むと、ラードの香ばしい匂いがただよってきて」

食へのこだわりが作品へのこだわり?作品の中にも度々食シーンが 池波正太郎のこだわり

煉瓦亭 東京都中央区銀座3‐5‐16/営業時間:11:15~14:15L.O. 16:40~20:30L.O.(土祝は20:00L.O.)/定休日:日

特製大カツレツは180gもあるが、池波は〈若いころは、これを三枚は食べたものだ〉(『食卓の情景』以下※3)と自慢する。ソースをたっぷりとかけるのが好きで〈コロモと肉とキャベツがソース漬のようになったやつを、熱い飯と共に食べる醍醐味を、「旨くない」という日本人は、おそらくあるまい〉(※1)と記す。

「先生は熱燗を飲みながらカツレツを食べてらっしゃいました。でも本の中には、ウイスキー・ソーダで食べる、と。洋食屋の私どもへのお気遣いでしょうか、ウイスキーのほうがかっこいいと思ったからでしょうか(笑)」(木田浩一朗社長)。カツの後にハヤシライスを平らげたという。なんという健啖ぶり!

「煉瓦亭」東京都中央区銀座3‐5‐16/営業時間:11:15~14:15L.O. 16:40~20:30L.O.(土祝は20:00L.O.)/定休日:日

■「黒い色の、辛いカレーで、香りのよさがたちまちに食欲をそそる」

食へのこだわりが作品へのこだわり?作品の中にも度々食シーンが 池波正太郎のこだわり

ムルギー 東京都渋谷区道玄坂2‐19‐2/営業日:11:30~15:00L.O./定休日:金祝

都職員時代は、自転車で渋谷の繁華街に出向き昼食を摂(と)っていた。一番足しげく通ったのが、百軒店にある昭和26年創業のインド料理店「ムルギー」。

〈売りもののカレーライスに独自のものがあり、日ごとに食べても飽きなかった〉(※3)というほどだった。

〈ライスを、ヒマラヤの高峰のごとく皿の片隅へもりあげ、チキンカレーを、ライスの山腹の草原のごとくにみたす〉(※3)という独特の盛り付け方は、登山好きの初代店主・松岡憲策さんが開店当時から始めたもの。

今も盛り付けを変えずに提供している。数十種類ものスパイスを用いて醸される香りも良く、複雑な辛さが後を引く。

「ムルギー」東京都渋谷区道玄坂2‐19‐2/営業日:11:30~15:00L.O./定休日:金祝 *GW中の28日~6日は休み

■池波が艶やかな女性に贈った土産とは?

食へのこだわりが作品へのこだわり?作品の中にも度々食シーンが 池波正太郎のこだわり

竹むら 東京都千代田区神田須田町1‐19/営業時間:11:00~20:00/定休日:日月祝

甘味も大好きで、「竹むら」で粟ぜんざいを食べた後は、土産に揚まんじゅうを買うのが定番。ただし〈殊勝に家族のものへ持って帰るのかというと、そうではないのだ。これからあとに、われらの真の目的があるわけで、揚まんじゅうは白粉の匂いのする“生きもの”の口へ入ってしまうのである〉(※2)。汁粉屋は男女の逢引きに相応しい場であると記し、『鬼平犯科帳』で同心の木村忠吾が町娘を求めるシーンを描いた池波ならでは。

「竹むら」東京都千代田区神田須田町1‐19/営業時間:11:00~20:00/定休日:日月祝

(取材・文/本誌・菊地武顕)

週刊朝日 2018年5月4-11日合併号

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