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中村吉右衛門さんが主演で未だに”鬼平”復活論がありますがその”鬼平”で重要な役割、平蔵の密偵”おまさ”。その”おまさ”を演じたのは梶芽衣子さんですね。出演した鬼平シリーズが終了し、演技以外での絶賛されていますね。

女優・梶芽衣子「『女囚さそり』のヒット、 婚約者からのDVがなければ、結婚してすっぱり引退していた」

ダ・ヴィンチニュース4/12 配信記事より引用

梶芽衣子さんへの絶賛が次々と…

17歳でスクリーンデビューして以来、50年以上、女優として活躍し続ける梶芽衣子さん。華々しい舞台の裏側で重ねた苦労、貫き通してきたプロとしての生きざまをつづった初の著書『真実』(文藝春秋)がこのたび発売された。自分らしく生きるとはどういうこと? 自信をもって生きるにはどうしたらいいの? 迷える女性たちのヒントになるお話をうかがった。

■悔しさを重ねて現れた、自分でも知らない負けん気の強さ

――本書を読んで驚きました。罵声を浴びせられたり、大根役者と揶揄され現場で大根を持たされたり、華やかに見える舞台の裏側でさまざまな辛酸を舐めてこられたんだなと。

梶芽衣子(以下、梶) 高校時代はモデルをやっていましたけど、あくまでアルバイト感覚でしたからね。芸能界に興味があったわけでもなく、スカウトされるまま日活に入社したものだから、右も左もわからなくて。当時は教育係なんて気の利いたものもないから、自分が「何がわからないか」がまずわからないんです。だから誰に聞こうにも、何を聞いたらいいのかすらわからない。つい「わかりません」と言うと、「わからないって言うな!」なんて怒られるし、名前で呼んでもらえるようになるのに2年かかりましたし、毎日傷ついていました。

――そんななか、先輩に嘲笑されて啖呵を切ったエピソードは印象的でした。

 啖呵を切ったっていうか(笑)。当時の映画は、撮影が全部終わったあとにアフレコで自分の映像に声を当てることがあるんですが、そんな作業があることも知らなくて、上手にできるわけがないですよね。セリフだけじゃなく、効果音を入れる方もいたんですけど、その道のプロなので一度映像を見るだけで必要な音をぴったり当てることができるんです。それなのに私が失敗するからその方も何度も同じことをやらされて、恥ずかしいやら申し訳ないやら死にそうな気持ちでいたときに、先輩方がふふんって笑うから。

――「笑わないでください。あなたたちは初めからこれができたんですか!」と。

 もう癪に障っちゃって。キレちゃった(笑)。

――そこでうずくまって泣くのではなく、キレるのがすごいと思いました。その負けん気の強さは、昔からですか。

 いいえ全然。むしろ人と話すのも苦手で、学校でも隅のほうでひっそりしているタイプでした。芸能界に入って初めて、私ってこんなに強かったんだって気づいて。自分で自分にびっくりですよ。

梶芽衣子さんへの絶賛が次々と…

■仕事場という戦場に存在するのは、男でも女でもなく、“プロ”だけ

――どうしてそんなに強くなれたのでしょうか?

 父に言われた「最初の仕事は貫け」って言葉は大きかったですね。言われたときはどういうことかいまいちピンとこなかったけど、「負けて勝つ」ってことなのかもな、って。社会人一年生でなにもわからずなにもできない自分が、なけなしのプライドを誇示してもズタボロになっていくだけで、今はプライドを捨てて頑張るしかない、って開き直るようにした。そのことに気づけたのはよかったなあと思います。

――ヒットが続いていた『女囚さそり』の続編を拒否したり、梶さんは仕事とともに、自分の信念を常に貫いています。

 映画会社としては当たる限り続けたい、それはわかるんです。でも役者としては、一つのイメージで固定されてしまうのが怖かったし、いずれ当たらなくなったとき、他に手札が何もないのも怖かった。もちろん大騒ぎになりましたし、各所に迷惑もかけました。我儘と言われればそれまでだけど私は譲りませんでしたね。心の中で「ごめんなさい」と手をあわせ、いつか恩返しできる日が来るかもしれないと思って。そういうことがあるたび私は、自分の信念を貫き続けようと心に決めるんです。だって、お互いに覚悟を決めて何かを背負いながら戦っていくことが、仕事でしょう?

――仕事場は戦場であり、そこで戦うのに男も女もない、という言葉が本書の中にもあります。

 仕事場に存在するのは、プロだけです。今は女性も働きやすい世の中になってきましたけど、職場で差別的なことを感じたら、その都度きちっと伝えたほうがいい。「私はちゃんと仕事していますよね、男も女も関係ないですよね」って。批判されようが嫌われようが、自己主張はしたほうがいいと思います。男の人って、言われてはじめて気づくってこともありますから。だからこそ、はっきり物申すためには、自分が誰よりプロである自信をもたなきゃいけないんです。

■大事なのは驕らず、謙虚な自信をもつこと

梶芽衣子さんへの絶賛が次々と…

 

――その自信はどうしたら備わるのでしょうか。

 自信というのは謙虚さだと私は思います。だけど謙虚のない人間は、今いる場所にあぐらをかいて、学ばなくなるし、努力しなくなる。自分の価値を自分で決めて、利害だけで世の中を見る。これが自惚れと驕り。自信とは似て非なるものです。だけど最近はそういう人が増えているなあと残念な気持ちになることが多いですね。

――どういうときにそれを感じるんですか。

 たとえば、廊下ですれ違ってもエレベータに乗り合わせても挨拶しないとか。あんがい、ベテランと言われる人たちほど多いんです。見て見ぬふりをする労力のほうが、挨拶するよりよっぽど大変だろうと思うんだけど。彼らにはきっと、怖いと思える存在がいないのね。そういう人を見ていると、あれ以上は上にも前にもいけないだろうなと思います。

――梶さんが怖いと思うのはどういう人ですか。

 それはやっぱり、ファンの方。いちばんの批評家です。本にも書きましたが、『女囚さそり』の頃は「これだけ頑張ったんだからヒットして当たり前」なんて気持ちがどこかにあったと思うんです。だけど最近、ファンのみなさんの前で歌う機会が増えたことで、驕りを捨てて感謝することの本当の意味がわかった気がします。謙虚な気持ちでいいものを見せ続けなければ、お客さんはあっという間に離れていきますからね。

■自分の人生で頼れるのは、自分しかいない

――本書に「何が幸せなのかは人それぞれですから。人の運命なんてどこでどうなるか本当にわからないもの」という言葉があります。

 私は昔から子どもが好きで家庭をもちたかったし、『女囚さそり』のヒットがなければ、そして婚約者からのDVがなければ、結婚してすっぱり引退していたと思います。中途半端が嫌いで、何事もきっちりしていないと気が済まない性格ですから。だけどけっきょく婚約破棄をして……。別れた限りは貫くわよ女優業、って気持ちで突き進んできました。相手の方にも「別れるなら一生仕事をしろ」「結婚もするな」と言われましたし、それに応えるのがせめてもの誠意だと思いました。そうして女優としての今があるんだから、人生何があるかわかりませんよね。

――自分で自分の人生を舵取りしているからこそ、今も梶さんは強く美しくいられるのかなと感じます。

 美しいかどうかはわからないし、私の生き方を他人様に押しつけるつもりもまったくないけれど……「自分しかない」って思うところから始まらないと駄目なんだとは思います。だって、誰も助けてはくれないんですから。だからこそ自分を信じることが大事なんじゃないかしら。

――謙虚な自信、ですね。

 そう。たゆまぬ勉強と努力、そして忍耐を重ねていけば、おのずと謙虚さも身についてくる。これに裏打ちされた自信をもてば、もう鬼に金棒ですよ。どんなに悔しいことがあっても、今に見てなさいよ、って奮起できますから。それは諦めない勇気にもつながっていきます。私は絶対に、諦めなかった。今も、何一つ諦めていません。私だって一生懸命、そうやってきて、今年は初めてロックにも挑戦して歌って。若い人たち、特に20~30代の方々には頑張ってほしいと思いますね。これからの社会を支える、大事な人たちなんですから。

取材・文=立花もも  撮影=岡村大輔

梶芽衣子さんへの絶賛が次々と…

●プロフィール
かじ・めいこ●1947年、東京都生まれ。高校在学中にモデルデビュー。卒業後に日活に入社。映画『悲しき別れの歌』で本名の太田雅子で女優デビュー。69年、梶芽衣子に改名。「野良猫ロック」シリーズ、「女囚さそり」シリーズ、「修羅雪姫」シリーズなど数々のヒット作を打ち立てたあと、テレビ業界にも進出。「鬼平犯科帳」シリーズでは28年間、密偵・おまさ役を演じる。歌手としても活躍し、4月18日にアルバム『追憶』発売。

●書籍情報
17歳でスクリーンデビューして以来、女優として自分の道を貫いてきた梶芽衣子。華やかな舞台の裏で経験した悔しさの数々、恋人からのDV、勝新太郎や高倉健との思い出、これからも続けていく歌手活動……。負けん気の強さと「勉強、努力、忍耐」のスローガンで切り拓いていきた人生を振り返った初の自伝。

 

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梶芽衣子の「損を承知の生き方」

NEWSポストセブン4/19(木) 16:00配信記事より引用

【書評】『真実』/梶芽衣子・著/文藝春秋/1350円+税

【評者】平山周吉(雑文家)

『女囚さそり』の孤高、『曽根崎心中』の一途、四十年も前のスクリーンと少しも変わらない、俗な世間を刺し殺すような視線がみなぎっている本である。梶芽衣子、七十歳の自伝は、「媚びない、めげない、挫けない」という信条そのままで齢を重ねた人の清々しさがある。ここまで損を承知の、ストイックな生き方を知ると、読む方が怖気づくほどだ。

梶芽衣子は最後の「撮影所育ち」の世代である。日活での同期には渡哲也がいた。渡は生意気と風評の立った梶を撮影所の食堂に呼び出し、説教をする。「お前な、女なんだから可愛いがられなきゃ駄目だ」。渡のやさしい忠告にも、ついつい言い返してしまう。

「お上手をいうのが苦手な」江戸っ子娘は、「さそり」主演のオファーにも素っ気なかった。「女囚なんか嫌よ」と断る。もし引き受けるとしたら、「せりふを一言も発しない」というアイディアで演じていいのなら。梶の破天荒な演技プランが大ヒットを生み出す。当時はヒット作のシリーズ化が当り前。梶はそれにも肯(がえ)んじない。四作までで“勇退”する。

「さそり」はもともと一本目だけで、結婚即引退のつもりだった。結婚を決めていた彼は、別れ際に言う。「誰とも結婚するな。死ぬまで仕事を辞めるな」。梶は「はい、わかりました」と請け合う。だからいまだに独身なのだ。芸能界に入る時に、父親が言い渡したのは、「最初に就いた仕事は貫け」だった。父の教えも守られてしまう。このアンバランスさは、素直さなのだろうか。

本書には共演した役者たちの素顔がたくさん詰まっている。渥美清、勝新太郎、若山富三郎、高倉健、辰巳柳太郎、古今亭志ん朝、三國連太郎……。誰もが梶の一筆書きで描かれる。裏方さんへの視線もやさしい。そして誰よりも尊敬する中村吉右衛門。テレビの「鬼平犯科帳」の撮影スケジュールを優先し、黒澤映画のオファーを二度も断っている。もったいない、なんて言ってはいけない。それが梶芽衣子の生き方なのだ。

※週刊ポスト2018年4月27日号

タランティーノも惚れた! 71歳・梶芽衣子の本音とは?

ダ・ヴィンチニュース4/21(土) 21:00 配信記事より引用

元祖クールビューティーと言えば、梶芽衣子を差し置いては語れない。

あのタランティーノ監督が、念願かなって梶芽衣子にインタビューした時、ずっと手を握ったままだったという熱狂ぶりも分かるほど、『野良猫ロック』や『女囚さそり』の彼女は、圧倒的な存在感と殺気をはらんだ美貌の持ち主だった。

そして今でも古びていないのが、そのファッション・センスだろう。『野良猫ロック』の不良少女マコ役のために、自ら選んだ黒いベストとマキシスカート、ロングブーツ、あるいはレザージャケット&パンツにサングラスという70sスタイル、そして『女囚さそり』で披露した黒のマキシコートのポケットに両手を突っ込み、つば広の帽子を斜めにかぶった立ち姿は、ファッションアイコンとして鮮烈すぎるほど鮮烈だった。

そんな梶芽衣子が、10代で日活女優としてデビューしてから、70代の今に至るまでの本音を語ったのが、この『真実 梶芽衣子』(文藝春秋)だ。本の帯にもあるように「媚びない めげない 挫けない」彼女の生き方が告白されている。

高校生の時、銀座でスカウトされ、日活に入った彼女が初のアフレコを体験し、勝手が分からず失敗を繰り返す。それを見て嘲笑する先輩には、「笑わないでください。あなたたちは初めからこれができたんですか!」と言い放つ。

映画『太陽が大好き』では、共演した日活の大スターである浜田光夫が死亡するラストが名物専務の一声で変えられた時も、浜田さんが亡くなったほうが映画の余韻があったとはっきり言ってしまう。そんな真っすぐで全力投球な芝居への思いが分かるエピソードが本書には詰まっている。

真っすぐなだけではなく、自分の立ち位置をしっかり見据える冷静さがあったことも、本書からは分かる。芝居の面白さが分かり始めた梶芽衣子が、今後の女優としての自分の在り方について考え、優等生タイプの女優ではない自分はどうやっていくべきか考え、非行少女のタイプの女優はいないから、自分はそれで行こうと決める。日活映画特有の無国籍でバタ臭い雰囲気が生かされたクレイジーな青春映画『野良猫ロック』に出演が決まり、非行少女マコとして鮮烈な印象を残すのだが、その役柄になぜ彼女を選んだのか、梶芽衣子が長谷部安春監督に聞くと、「笑顔が全くないから」という答えが返ってきたという。「撮影所を歩いていても食堂にいてもいつも目が吊り上がっている。それだけで選んだ」と。

笑顔がない。それだけでなく、日活を辞めて東映で出演した「女囚さそり」シリーズでは、梶芽衣子は台詞すら封印する。『女囚さそり』の原作漫画を読んでいた彼女は、「ヒロインが全く言葉を発しなかったら面白くなるんじゃないか」と考え、それを監督とプロデューサーに提案する。前代未聞の提案に両者は面食らうが、結果的に梶芽衣子の判断は『女囚さそり』の大ヒットという結果をもたらす。

しかし、無言劇の精神的なプレッシャーは彼女を苦しめ、ヒット作ゆえに続編を要求されることとも闘った経緯は、本書を読んでもらいたい。

また、本書では五社英雄監督の『鬼龍院花子の生涯』が、元々は梶芽衣子の企画であったという秘話も明かされており、筋を通す彼女が苦しんだ思いも吐露されている。「かけもちはしない」という主義を貫き、『鬼平犯科帳』で28年間、おまさを演じた梶芽衣子が、今新たに決意している次なる一歩が、本書の最後に書かれているのだが、その台詞はやっぱり梶芽衣子らしくかっこいい。70歳でこれが言えるとは、無言、笑顔なし、黒ずくめのクールビューティー健在である。

文=ガンガーラ田津美

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